母に介護サービスを使いたいけど、手続きはどうするの?
期間はどれくらいかかるのだろう?
こんにちは、麦マネです。居宅のケアマネをやっています。
介護サービスを使うまでの流れはこのとおり、
- 介護認定の申請をする
- 主治医の意見書
- 認定調査を受ける
- 介護保険証が届く
- ケアマネを決める
- ケアプラン作成
- 契約、利用開始
※1~3の順番は市町村によって違う
申請〜開始までにかかる期間はこのとおり、
- 申請〜介護保険証が届くまで約30日
- ケアマネ決定〜利用開始まで約7日
やること多くない?それに1ヶ月以上も時間がかかるのね。思ったより大変。
そう思った人も多いかもしれませんが、大丈夫。
意外とやることは少ないし、やっているうちにケアマネや行政が絡んできます。
決して全てを家族だけでやるということはありません。
この記事では介護サービスを利用するまでの流れについて分かりやすく解説します。
ちなみに…
入院中という人もいるでしょうが、 手続きの流れは同じなので安心してください。
まずは介護認定の申請をする
申請方法について
申請する場所や必要なものは市町村によって微妙に違います。
だけど以下を基本と考えておけば良いでしょう。
申請場所:市町村の担当窓口
必要物品:印鑑、介護保険証(持ってたら)
介護保険証?持っていないよ。
それをもらうために申請するんでしょ?
実は65歳になった時点で介護保険証は配られているのです。もちろんその時点では介護認定は空白です。
その空白の介護保険証を持っていたら、一緒に提出しましょう。
だけど、ほとんどの人が紛失しているので無くても大丈夫。
介護認定の申請について、さらに具体的に解説しています。
申請に関する、よくある勘違い
ー私は介護保険料を払っている。だから介護サービスを受けられるー
介護サービスは要介護(要支援)と認定されて、はじめて利用することができます。
介護保険料を払っているので申請する権利は持っているけど、認定が下りるとが限りません。だから介護サービスが受けられるとは限りません。
とりあえず申請をしなければ何も始まらないということで、市町村の担当窓口に印鑑を持って申請にいってください。
主治医の意見書を提出する
主治医意見書とは?
主治医意見書は介護認定を決めるための書類の一つ。
分かりやすく表現すると、
『お医者さんの視点から、介護状態を教えてください』という書類です。
どの病院に出すの?
かかりつけ医へ渡して書いてもらいます。
入院中であれば、入院先の病院の先生に書いてもらうのもよいでしょう。
内科、整形、皮膚科、眼科、たくさん病院に行っているけど。
これという正解はないけど、以下を参考にしてみてください。
- 毎月受診している
- 一番多く薬を出されている
- 一番頼りにしている
これらを基準に考えると、あなたの体調を一番知っている病院が頭に浮かぶのではないでしょうか?
気をつける点は?
- 主治医意見書の出来上がりが遅い
- しっかり書いてくれるとは限らない
要は・・・
診察が忙しくて意見書を書く暇がない。
カルテだけ見て、患者さんの介護なんてわからない。顔も思い出せないのに。
だけど、このお医者さんの言っていることも一理あります。
対策は主治医意見書を書いてもらうことを直接伝える、これしかありません!
認定調査を受ける
認定調査は介護認定を決めるための書類の一つ。
体の動きや認知症などを確認します。
認定調査員もやっている私の意見としては、主治医意見書より重要度が高い!
調査前までにやること
- 日程調整
- 場所の打ち合わせ
- 調査にかかる時間はおおむね1時間
認定調査員から連絡があるので、『いつ』『どこで』調査をするか決めましょう。
調査対象者が入院中であれば病院でも構いません。
調査当日
- 調査には必ず立ち会いを行う
- 伝えたいことはメモ
- 調査員の気持ちを考える
普段ぐったりしている高齢者も、認定調査が始まるとビシっと歩き始めるのは「認定調査あるある」
必ず認定調査に立ち会って、普段の姿を伝えます!
これはマジで大事!!
その他にも、認定調査を上手に受けるコツがあります。
退院後すぐに認定調査が受けられないので要注意
入院、退院、転院、入所などの直後10日程度は認定調査が受けられない。
認定調査が遅れれば、介護サービスの開始も遅れる。
特に注意しなければいけないのが、退院と転院。
認定調査まで済ませてから退院や転院をするのをおススメしたいですね。
介護保険証が届く
介護認定が下りたら、住所地に介護保険証が届きます。
その際に確認してもらいたい箇所があり、それにより次の行動が変わっていきます。
見る箇所は1箇所だけ
一番大事なのは「要介護状態区分等」いわゆる「介護認定」。
ここに、『自立もしくは空白』『要支援1〜2』『要介護1〜5』のいずれかの区分が示されます。
とりあえず『介護認定』さえ分かればそれでいいんだけど、詳しく知りたい人はこちらもどうぞ。
介護認定の違いをざっくりと解説
介護度が高い(元気じゃない)高齢者ほど、介護サービスをたくさん使うことができます。
介護認定の区分によって担当ケアマネが変わる
- 要支援1〜2・総合事業→地域包括支援センター
- 介護1〜5→居宅介護支援事業所
※居宅介護支援事業所とは在宅(自宅)に住む要介護者の担当ケアマネが働いている事業所
地域包括支援センターが担当ケアマネになるのか、居宅介護支援事業所が担当ケアマネになるかということですね。
デイサービスに週4〜5回行かなければいけない状態なら、居宅介護支援事業所が担当になってもらわないと困るよね。
ケアマネを決める
正確にいえば、ケアマネを決めるというよりも、居宅介護支援事業所を決めます。
あなたが住んでいる市町村にも居宅介護支援事業所が数カ所あるので、その中から担当になってほしい事業所を選ぶイメージです。
要支援者は地域包括支援センターが担当なので、ケアマネ選択の余地はないよ。
自分にあった居宅介護支援事業所を探そう
ここら辺を重視して探してみよう。
- 自宅からの距離
- 24時間対応しているか
- どこの会社が経営している
特に重要なのが『自宅からの距離』。一人暮らしの場合は特に重要!
一人暮らしの場合、ケアマネが気がけて自宅へ訪問することも多い。
何度も訪問するのはいいけど、距離が遠いのは困るな。
私の意見としては車で5分以内は近い、それ以上となると遠い、そんな間隔です。
ケアマネを決めてもらう
決めるというよりも、たまたま最初に窓口対応したケアマネがそのまま担当になるケースも多いでしょう。
だけど『こんなケアマネがいい』と希望があれば言ってみるのも手段です。
例えばこんな希望
- 男性のケアマネ(女性のケアマネ)でお願いしたい
- 土日が休み、土日に対応できるケアマネ
- 元資格が看護師、介護士など
ケアマネとの相性は、実際に担当になってもらわないと分かりません。
だけど頼りになるケアマネの特徴はあるので、別記事を参考にしてください。
ケアプラン作成
担当ケアマネは介護サービスを利用させるための一連の手順を行います。
- ニーズの確認
- ケアプランの作成
- 担当者会議
専門的な用語は覚える必要がないので、流れだけ解説します。
ニーズの確認する
ニーズとは要望。
どんなことに困っているのかをケアマネに教えてください。
例えばこんなこと…
- 麻痺があってベッドから起きれない、立てない
- お風呂に入れずに困っている
- 認知症があって家族が疲弊している
- 家で寝てばかり…
なんなら単刀直入にズバっと言ってもらっても構いませんよ。
友達が行っている◯△デイサービスに行きたい!
どのような解決策があるかを提案するのがケアマネ。
困っていることをハッキリ言ってもらった方が、具体的に解決策を提案できます。
ケアプランの作成
介護サービスをどのように使うかを文章化したものがケアプランです。
具体的にこんなことが書いてあります。
- 週3回、◯△デイサービスに行きましょう
- 週1回、買い物を⬜︎◎訪問介護に頼みましょう
ケアプランを作るのがケアマネの仕事であり、ケアプランがないと介護サービスは使えません。
だから担当ケアマネがいるんだね。
担当者会議
担当者会議は各サービス事業所の役割を明確にする会議です。
ん?どういうこと?
- デイサービスに月木の週2回行きましょう
- お風呂もデイでお願いします
- ヘルパーさんには土曜に買い物を頼みます
- 福祉用具でベッドレンタル
こんな感じで、各サービスの役割や効果、頻度を明確化し、他に困っていることがあれば解決に向けて話し合う会議です。
ちなみに担当者会議は、介護サービスを開始する前に必ず開催しなければいけません。
意見を言わなくてもいいので、必ず開催できるように協力しましょう。
ケアプランについてもっと詳しいことは別記事で紹介しています。
契約、利用開始
最後に各事業所との契約です。
契約を交わす相手は少なくとも2事業所以上。
- 居宅介護支援事業所(ケアマネ)←必然となる
- 介護サービス事業所(デイサービスなど)
使う介護サービス事業所が多いだけ、契約も多くなります。
ここまで終えたら介護サービスの開始というわけです。
まとめ
介護サービスを受けるための手続きの流れが以下のとおり
- 介護認定の申請をする
- 主治医の意見書
- 認定調査を受ける
- 介護保険証が届く
- ケアマネを決める
- ケアプラン作成
- 契約、利用開始
申請〜開始までにかかる期間はこのとおり
- 申請〜介護保険証が届くまで約30日
- ケアマネ決定〜利用開始まで約7日
特に退院後すぐに介護サービスを利用したいなら、早めの申請をおススメします。
初めての介護保険の手続き、不安もあるでしょう。
だけど申請窓口まで行ってしまえば、支援の輪が勝手に広がっていきます。
助言を受けることも増えるので、一人で悩むことが減っていきます。
まずは介護認定の申請!!行ってきてください!!
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